フライト時のクライミング用ハーネス着用の勧め

climbing harness

パラグライダーは最高に楽しいアウトドアスポーツ(遊び)です。
大自然の中、目に見えない気流を読み、動力を持たずに滞空・上昇し自由に空を飛びまわる。
まさに自然の中で自然で遊ぶアウトドアスポーツ。
しかし、楽しいばかりではなく自然の中で遊ぶにはそれなりのリスクが内在します。
そのリスクを理解し、あらかじめ備えておくことでかなり軽減することができます。

その備えの中で今回は「クライミング用ハーネスの着用」に関して理由と合わせてお勧めしたいと思います。

ツリーランディング(ツリーラン・山沈)の可能性

パラグライダーで飛んでいると自分のミスや気流の変化などの様々な要因で、なにかしらのトラブルが発生することは誰にでも考えられます。
気流の変化に対応できず翼が潰されてしまったり、山近くでの旋回ミスなどでツリーランディングしてしまうこともあるでしょう。
または、

  • サーマルを追いかけて夢中で飛んでいたらランディングに帰れる高度が無くなった。
  • 尾根(稜線)の裏側で低くなってしまいランディングに戻れない。
  • 風が強くなりランディングまで届かない。

このような時に安全に降ろせそうな十分に広いスペースが見つからない場合。
あなたはどうしますか?
迷わずツリーランディングを選択しましょう。
狭くて難易度の高いスペースに無理やりランディングを試みるよりもよほど安全です。

ツリーランディングする事を選択した上で、どこにどのようにひっかかるかということは重要ですが、話が脱線してしまうので割愛します。

空を飛ぶ遊びをしている限り誰にでもツリーランディングの可能性はあるのです。

ツリーランディングしたらどういう状況?

日本の山は木が密な場所が多く、高確率でキャノピーやレスキューパラシュートが引っかかり、ぶら下がることになります。
もちろん引っかからずに地面までいってしまうこともありますが。。。

ここから先、「無事に地面に降り立ちクラブハウスまで戻る」という一番重要な部分で役に立つ備えが「クライミング用ハーネスの着用」です。

パラグライダーのフライト装備で木にぶら下がった状態から地面まで降りるには、通常であれば以下のプロセスが必要になります。

  • 自己確保(セルフビレイ)をセットする
  • 足場を作る
  • 下降支点を作り、ロープをかける
  • エイト環にロープをセットする
  • 足場に立ち上がり下降用のロープから手を離さないようにアクセレーターとライザーを外す
  • 自己確保を解除し、懸垂下降で降りる

しかし、
「足場に立ち上がっただけではライザーのテンションが抜けずに外せない」
「片手でライザーを外すのは結構大変」
「片吊りの状態(片方のパラ用カラビナにエイト環をセットするため)での懸垂下降はバランスをとるのに慣れが必要」
「最初にぶら下がった体勢が水平であることはほぼ無くひどく斜めの状態でこの作業を行なわなければならない」
「アクセレーターを外すのを忘れていて下降し始めてから気がつくと修正がかなり大変」
※追記:
「レスキューパラシュートを開傘しそれが引っかかっている場合、切り離す以外の方法が困難」
野呂様にいただいたコメントにて記載忘れに気が付き追記させていただきます)

など、難関やリスクがいくつも存在し、この脱出用スキルを身につけ現場の状況に合わせて臨機応変に実施することは困難を極めます。

よってほとんどの人は自己確保をセットした状態で救助を待つことになるでしょう。

フライト時のクライミング用ハーネスの着用

では、このような状況(リスク)に陥った時クライミング用ハーネスを着用していたらどうでしょう。
上記のプロセスは大幅に簡略化されます。

  • 自己確保(セルフビレイ)をセットする
  • 足場を作る
  • 下降支点を作り、ロープをかける
  • エイト環にロープをセットする
  • 足場に立ち上がり下降用のロープから手を離さないようにアクセレーターとライザーを外す
  • 自己確保を解除し、懸垂下降で降りる

しかし、
足場に立ち上がっただけではライザーのテンションが抜けずに外せない
片手でライザーを外すのは結構大変
片吊りの状態(片方のパラ用カラビナにエイト環をセットするため)での懸垂下降はバランスをとるのに慣れが必要
「最初にぶら下がった体勢が水平であることはほぼ無くひどく斜めの状態でこの作業を行なわなければならない」
アクセレーターを外すのを忘れていて下降し始めてから気がつくと修正がかなり大変

簡単に言えば、

下降支点を作ってロープ&エイト環を装着しているクライミング用ハーネスにセットしたら、パラグライダーハーネスを脱いで懸垂下降するだけ。
(自己確保はセットしますが、解除する必要なし)

たったこれだけの手順で地面に降りることが出来ます。
技術も、必要な道具も圧倒的に簡素化されます。

救助が望めない場合など、自分で降りる必要に迫られた場合、必ずクライミング用ハーネスを着けていた事に感謝することになります。

基本は自己確保(セルフビレイ)をセットして救助を待つ

いくら簡素化されたとはいえ、ぶら下がった状態から自分で降りるのはなかなか難しい。
日頃からトレーニングを行い、このような状況を想定して準備をしているパイロットは少ないでしょう。

無理して降りようとするのはやめて、救助が来てくれる場合は自己確保をセットしておとなしく待ちましょう。

そして、救助に来てくれた場合もこのクライミング用ハーネスが役に立ちます。

要救助者を降ろす際、パラグライダー用ハーネスで降ろすには救助側に前述したような手順が必要になり大変な作業ですが、クライミング用ハーネスを着けていれば、いとも簡単に降ろすことができます。人さえ降ろしてしまえば機材を降ろすのは慣れた人ならそれほどリスクはありません(状況によりますが)。

救助に来てくれた人に、
「ハーネス着けてますか?」
と聞かれて、もし着けていなかったら、、、気まずい空気になることは言うまでもないでしょう(笑

自分が要救助者になる可能性も考えて、フライト時にはクライミング用ハーネスを着用しましょう!

次回は、クライミング用ハーネスの種類やパラグライダーで使用する際のお勧めハーネスなどご紹介したいと思います。

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